クリスマスイルミネーションの撮影について
毎年恒例のクリスマスイルミネーション。
今回それを撮影してみよう、ということで実際に何回か足を運び撮ってみたのですが・・難しいですね、これ。
イルミネーション撮影を行うきっかけ
毎度お世話になっておりますフジフイルムさんより、イルミネーション写真の講評会がある、ということで応募したのがきっかけです。
正直なところ、イルミネーションというのはあまり興味のない分野でした。
イルミネーションって、光の芸術かな、と思っておりますが、その芸術を作る人というのは必ずいるわけで、それをいかに写すか、というのがイルミネーション写真だと思っておりました。
変なたとえかもしれませんが、人の書いた絵を写すようなものでして、私の中では「それってどうなのよ?」という思いがあったわけです。
とはいえ、えり好みしても自分の視野を狭めるだけですし、せっかく今回のように良い機会を提供して頂けるのですから、そこはぜひ参加してあれこれ学んでみないと、と思ったわけです。
イルミネーション撮影を行う上でのテクニック
ということで、まずはイルミネーション特有の写し方について勉強しつつ、実際に写してみることにしました。
背景ボケ
メインの被写体を手前(カメラの近く)に持ってきて、背景のボカすテクニックです。
X-E1 + XF18-55mm f/3.5 35mm ISO3200
ポイントは
- メインの被写体に可能な限り寄る(背景がボケやすくなる)
- メインの被写体は当たり前ですがきれいなものを選ぶ
- 背景にイルミネーションとなるものを配置する(結構大事)
- 絞りは開放近くにする
- 画角が狭い方(焦点距離の大きいもの)が良い(背景がボケやすくなる)
といったところでしょうか。
メイン被写体はもちろん大事ですが、意外と抜けるのが背景。背景をしっかり意識して構図を決めないと、つまらないものになりがちです。
手前ボケ
奥の方にメインの被写体を置いて、手前にイルミネーションなど配置し、手前に光の玉(ボケ)を作るテクニックです。
X-E1 + XF18-55mm f/3.2 27mm ISO1250
ポイントは以下。
- 前ボケさせたいものになるべく近寄る
- 前ボケさせたいものは、たいてい電線など余計なものがあるので、なるべく目立たないよう位置など調整する
- 背景がメインとなるので、イルミネーション全体や大きな被写体など遠目にもわかるものを選ぶ
- 絞りは開放近くにする
- 画角が狭い方(焦点距離の大きいもの)が良い(背景がボケやすくなる)
絞りなどについては背景ボケと同じですが、決定的に違うのは遠くにメインの被写体を置く、という事ですね。
露出補正
そのまんまカメラ任せにすると、たいてい失敗します。
電飾が多いところではおそらく暗くなりますし、逆に少ないところでは明るくなります。
これはカメラの露出補正の問題でして、画面全体を平均してどれくらいの明るさになるように、という計算をしているためです。
なので、露出は積極的に変えていきましょう。
X-E1 + XF18-55mm f/2.8 18mm ISO1000 露出補正 -2.0EV
この写真では、-2段も露出補正で暗くしています。
露出補正を切ると(例は残念ながらありませんが)、全体的に白んだ画像になるはずです。
手ブレ対策(高ISO感度 or 三脚使用)
私が使っているX-E1 は幸いなことに高感度でもノイズが少なく綺麗に写せます。
これはセンサーサイズが大きい(=光を受け取る面積が広い)というのと、画像処理が優れている、という点に由来することですが、そういった機種であれば積極的にISO感度を上げて手ブレを防ぎましょう。
それが難しいカメラであれば、面倒ですが三脚を使った方がよいでしょう。
X-E1 + XF18-55mm f/3.6 40mm ISO1600 露出補正 -1.3EV SS1/60
これは手持ちですが、手前に柵があったのでその上に固定して撮りました。
ISOオートにして、シャッター速度1/60以上であれば、ISO800~3200の間で設定するようにしていたので、ISOは1600になっています。
被写体によってはもっと暗くなりがちなので、手ブレはなるべく起きないよう対策を施しましょう。
全体ぼかし
イルミネーションならでは、の撮影方法ではないでしょうか。
X-E1 + Voigtlander Heliar 40mm f/2.8 ISO800
全体が透明チューブで出来ているサンタさんとトナカイさん。
ここにピントをあわせてしまうとかなりみっともない写りになります。
それに、面ではなく線で構成されているイルミネーションだったので、ここはいっそのこと全体をボカしてしまうという事をしてしまいました。
ボケをつなぎあわせた形がしっかりとした形を保っていないと出来ませんが、これはこれでアリかと。
イルミネーション撮影を実際に行って思った事
イルミネーションって難しい・・でした。
冒頭でも書きましたが、イルミネーションは基本的に人が作り出した光の芸術。
これをそのまま写真におさめても、結局その作品を模写しただけで面白くもなんともありません。
上の「手ブレ対策」で挙げた写真などまさにそうですね。
キレイかもしれませんが、せいぜい「上手に撮れましたね」にしかならない、と思っています。
それに、イルミネーションがある場所に行って「わあ、すごい」という感動と雰囲気を伝えるためには、イルミネーションとそれを飾るモノだけでは足りない気がするのです。
だから、今回は途中から人を積極的に入れてみる事にしました。
もちろん肖像権の問題がありますので、はっきりと写す事はできません。
だから背を向けた状態の人だったり、人をシルエットとして写したり、という事をしてみましたが・・
結果は、まあ上で挙げたようなものばかりです(汗
このあたりの課題については、今度参加するイルミネーション写真講評会で聞いてみようと思っております。
言い忘れておりましたが、講評会に出す写真は上にあるものではございません。
それは後程追ってお出ししたいと思います。
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