前回の記事で、石神井公園の風景写真を撮り直し、ピント位置でガラリと立体感など写りが改善されることを書きました。
今回は、もう少し解像感をよくするため行ったことを書いてみたいと思います。
まずは写真の比較です
以下、2枚の写真をご覧ください。
【Before】前回載せた写真
ASTIA DR400 SHADOW-2 HIGHLIGHT-2 SHARP0 NR0
【After】今回現像しなおした写真
ASTIA DR400 SHADOW-2 HIGHLIGHT-2 SHARP+2 NR-2
違い
どちらもカメラ内現像で、ASTIAで撮ったものです。
違いは、SHARP(シャープさ)を、0(普通)から+2(よりシャープ)に変更した点。
そして、NR(ノイズリダクション)を0(普通)から-2(ノイズリダクションを弱く)、と変更した点です。
パッと見でも全然違いますね。
空間周波数の高い被写体であれば、よりシャープにした方が良い場合もありますね。
また、ノイズリダクションも、元がノイズを減らせるよう露出をその場で合わせておりますから、全然気になりません。
もう1点、PRO Neg.Stdで現像しなおした場合
【Before】
ASTIA DR400 SHADOW-2 HIGHLIGHT-2 SHARP+2 NR-2
【After】
PRO Neg.Std DR400 SHADOW-2 HIGHLIGHT-2 SHARP+2 NR-2,COLOR+1
SHARP+2,NR-2はそのまま、フィルムシミュレーションをPro Neg.Stdにして、COLORを+1(少し濃い色)にしたものです。
PRO Neg.Stdに変えることで、コントラストをさらに下げる事ができるため、影でつぶれていた部分がより明るく見えるようになります。
また、COLORを+1にした理由は、色を見た目に近いものにしたかったためです。
RawTherapeeによる現像
【Before】
PRO Neg.Std DR400 SHADOW-2 HIGHLIGHT-2 SHARP+2 NR-2,COLOR+1
空の青を出したかったため、さらにハイライトを下げました。
カメラ内現像では、ハイライトを白飛びしないギリギリのところにもっていきましたが、それだと空が白んでしまいます。
実際はもっと青があったので、ハイライトをさらに下げたかったのですが、カメラ内現像ではそれも出来ず(露出を下げるとシャドウはより暗くなるので)。
そういう場合に、こういったRAW現像ソフトが役にたちます。
なお、今回はRaw Therapee という、フリーで使う事が出来る現像ソフトを使いました。
こちらからダウンロードできます。
あくまでウワサですが、より鮮明に現像することが出来る(デモザイク処理が違う)、という事を聞いて使ってみました。
パラメータ設定は全部数値(スライダー操作)、数値の単位がよくわからない、設定できる内容がとっても多い、と最初は正直とっつきにくかったですが、慣れればそう悪くはないです。
かなり細かい設定が出来るのが大きな特徴かな、と思いました。
まとめ
ある程度撮った時点で精度がよくなってくると、今度は現像一つとっても違いが鮮明になってくる、という事を今回お伝えしたかったのです。
よく、現像で何とかカバーできる、と言われますが、でもそれはあくまで悪い点を何とか隠しただけであって、決してそれ以上にはならないのです。
逆に最初からきちんと撮れていれば、それをさらに改善することが出来ることが分かったのです。
いかに撮影時点できちんと撮るか、これを今後心がけていきたいと思った次第です。
P.S.
しっかし、プロのカメラマンって、普段からこんなこと当たり前にしているんだなぁ。。
ホント頭が下がる思いです。
View Comments (4)
恐れ入ります。大変参考にさせていただいております。
最近Fujiにキャノンからマウント変更をしまして、
質問させてください。
- シャドウ、ハイライトをマイナスに設定されているのはなぜでしょうか?????
- さらにノイズリダクションを特に高感度という訳でないのに下げる理由はなぜなのでしょうか???
- 最後ですが、ダイナミックレンジを400にするとISO800以上ということなのですが、400で撮影する理由など教えてください。
どれもキャノンのフルサイズの時には設定項目自体なかったりするものが多いので、
お時間がある時にご教授ください。
X Pro 2を使っていますが、写真の面白さを再発見できている途中です!!
よろしくお願いいたします!!
Futu様
コメント頂き誠にありがとうございます!大変励みになります。
この記事は、カメラ内現像で写りを改善する話ですので(最後のRawTherapeeは別ですが)。
汎用の現像ソフトを使ってRAWデータから現像する前提で撮影に挑まれるのであれば、カメラ内現像パラメータについてあまり気にされなくてよいかなと思っております。
一発撮影(後から現像しない)、又は撮影後にカメラ内現像を行うためにどの様なカメラ内現像パラメータにしておけばよいか、という内容だとお考え下さい。
ハイライト、シャドウ共にマイナスにする設定は、LightRoomなどのRAW現像ソフトでハイライトを抑え、シャドウを持ち上げるのと同じ事です。
ダイナミックレンジを400にするのも同じことですね。
標準設定だと、ダイナミックレンジ(ラティチュード)が狭くなってしまうのです。
特にポジフィルム系のフィルムシミュレーションでこうなります。
白とびしないように合わせると黒が多く出てしまうので、予めこのような設定にしたのです。
被写体次第でしょうが、私の場合明暗差が激しいところでよくこういう事をします。
汎用ソフトでRAW現像するとダイナミックレンジが広いのを確認できるのですが。文字通りフィルムで撮った時をイメージして、あえてこうしているのでしょうね。
ノイズリダクションを下げる理由は、元々がノイズリダクションが強めに思えたからです。
感度が低いのであれば、最初からノイズリダクションはマイナスにしても良いのかな、という気はしております。
これも被写体次第ですよね。夕空のグラデーションなどはノイズリダクションは下げない方が良いと思いますから。
X-Pro2とてもいいですよね。
私はX-E1から入りましたが、すっかり写真撮影の面白さに魅入らされてしまいました(笑)。
FIJIFILMのカメラは、撮る時に「どうやって撮ろうか」を考えさせやすくしてくれるのだろう、と思っています。
もちろん他社カメラでも同じことは出来るのでしょうが、ダイヤル類が見てすぐわかる位置にあり、感覚的な操作が出来る点が魅力なのかな、と思います。
これから春になり撮影の機会も増えるでしょうから、私もどんどん出かけて写真撮影を楽しんで行きたいと思います。
拙い記事で恐縮ですが、これからも宜しくお願い致します。
管理人様
詳しい詳細をありがとうございます!!
キャノンの5Dシリーズを使っていた頃はrawのみで解像度、画質重視でしたが、仕事で使う機会を減らしたことと、子供が生まれたことをきっかけに、フジに乗り換えた次第です。
Astia, アクロス、クラシッククロームを試しながら使っています。
マイナス設定は理解しました!
フジにしてからはJPEG一発撮りのみなので参考になります!
ダイナミックレンジは出てくる画に影響しても画質とは違うんですね。。
個人的にはレンジが狭く陰影の差が出るほうが好みなので、オートでしばらくやってみようと思います。
ノイズリダクションはキャノンの頃設定自体オフにしていたので、最小限に抑えようと思います。
OVFが譲れなかったのでx pro2にしましたが、
フィルムシミュレーションのおかげもあってか、
カメラって楽しかったんだな〜、フジにして良かったと思えています!
これからもサイトにお邪魔してお勉強させて頂きます!!
Futu様
ご返信頂きありがとうございます!
EOS 5Dお仕事で使われているのですね。私なんて趣味で遊んでいるだけですので、釈迦に説法になっていないか恐縮しております(汗)。
最近忙しくて写真を楽しむ時間が無くなっておりますが、また時間を見つけて楽しんでいきたいと思います。
ブログもボチボチ更新していきたいと思いますので、拙い内容ではありますがこれからも宜しくお願い致します(^-^)。