XF80mmを1か月ほど使ってみて、ちょっと気になっているのが「周辺減光」。
マクロ撮影だと気が付かないのですが、遠景を撮った時にあれ?と思う時がありまして。
じゃあ、ということでちょっとした実験を行う事にしました。
周辺減光とは
文字通り、周辺の光が減る事。
写真の中心に比べ、周辺が暗く見える事です。
周辺減光の例
X-T2 + XF80mm ƒ/2.8 1/30秒 ISO800
これが比較的分かりやすいですね。
原因は2つあり、ひとつは鏡筒などが斜めからの光を遮る事で光の量が減る「口径食」、もうひとつが光軸に対して光の入射角度が大きくなる事で光の量が減る「コサイン4乗則」。
XF80mmの場合は、口径食が原因っぽいですね。
口径食によるレモンボケの例
X-T2 + XF80mm ƒ/2.8 1/680秒 ISO200
レモンボケが目立つと言う事は、口径食で本来丸くボケるところが削り取られた、という事ですから。
口径食を解消するためには、絞ればよい、という事になります。
ちなみに上の写真2枚はどちらも、絞り開放のf/2.8で撮ったものです。
周辺減光とF値
LED光(室内灯)と三脚を使って、絞り値だけ変えてどうなるかテストしたものです。
絞り開放(F/2.8)から1段づつ絞ってます。右のボタンで1段絞る、左のボタンので1段開くようになっています。
開放(F/2.8)だと周辺減光がとても目立ちます。
F/5.6くらいで目立たなくなります。
F/8まで絞れば周辺減光はなくなるように見えます。
周辺減光が起きなくなる条件をより詳細に知りたかったので作ってみました。
F/5.6 から F/11 までで、1/3段づつ絞ったものです。
これをみると、F/7.1で周辺減光がなくなるようにみえます。
絞りすぎると小絞りボケが出て画質が悪くなりますが、F/8なら問題ないレベルではないでしょうか。
特にマクロで撮る時に絞り開放だとピントがあっていないところが本当にボケまくって分け分からなくなりますからね。
ボケとF値
ということで、もう1つテスト。
マクロ撮影時にF値の違いでどれだけ写りに影響がでるのか、を比べたものです。
これだけ近くて前後に距離があると、F/22でもいいんじゃないかと思えるくらいですね。
この写真の場合、F/11くらいがちょうど良い気がしますね。
それに撮って出しで点像復元処理をONにしていますので、絞り値は絞りすぎない限りはあまり気にしなくてもよいかと思います。
※F/16を超えるとセンサーの汚れが目立ちますし。。
まとめ
周辺減光は一般的に正確な描写という点ではマイナスではありますが、味の一つでもありますから、使い方次第でしょう。
大事なのはレンズの特性をよく知ったうえで、自分がどう撮りたいか、だと思いますので。
今回の実験は、どれくらい絞ればどういう写りになるのか、というのを実験を通して知ることができて、よい勉強になったと思います。